フリーランスの場合、報酬が振り込まれる日ってクライアントにより違いますよね。
末締め翌月末払いもあれば、末締め翌々月20日払い、15日締め末払いなど対応はバラバラです。
振り込みが翌月以降にずれ込むことはごく普通と言えますね。
しかし、ここで気になるのが帳簿での処理。
売り上げ(報酬)が発生しても未払い状態のものはどうやって処理すりゃいい?
そんな帳簿付けの方法を教えます。
基本でありながら一番重要です。
白色申告か青色申告か
報酬と言っても未払い分と受け取り分の2つに分けられます。
まず最初に、白色申告(簡易簿記)か青色申告(複式簿記)か明確にしておきましょう。
それぞれ記帳方法が異なります。
記帳難易度はどちらもほぼ同じです。
では詳しい記帳方法は…。
未払い報酬を簡易簿記で記帳するには
白色申告の簡易簿記で記帳する場合、基本的に未払い分と受け取り分の報酬を分けて考える必要がありません。
どちらも同じ売り上げ(収入)として計上します。
未払い10万の場合…。
帳簿上は以下のようになります。
1月25日 売り上げ 100,000 備考:flappeライティング
1行で済んじゃうんですね。
報酬を受け取った後、別途記帳するものはありません。
別途未払い分の科目を作って記帳してもいいですが、それなら青色申告にしたほうがメリットも大きいです。
未払い分を複式簿記で記帳
さて、青色申告で記帳する場合、未払いの報酬と受け取り分をしっかり分けて管理する必要があります。
未払いの報酬は”売掛金“として帳簿付けし、実際に支払われたら銀行振込・現金のように、報酬を受け取った方法に応じて再度記帳します。
売掛金から銀行口座などへ移動させるイメージです。
ちなみに売掛金は”受け取っていない代金”のことを言います。
売掛金は売掛帳、報酬が銀行に振り込まれたら預金出納帳へ記帳します。
未払い報酬10万円の場合の例
売掛帳
1月25日 貸方:売掛金 借方:売上 100,000
備考:flappeライティング
預金出納帳
2月20日 貸方:銀行振込 貸方:売掛金 100,000
備考:1月25日の売掛分
このようになります。
青色申告では帳簿を別々に分けて管理すること、振り込み後に預金出納帳に記帳する必要があることに注意しましょう。
ちなみにいつ計上すればいいの?
未払い分をいつ計上するかですが、その都度計上しても、月末にまとめて計上してもOKです。
納品する度に記帳してもいいですし、クライアントの締め日に合わせてもいいと思います。
どちらかと言えば後者のほうが負担は少なくて済みます。
白色申告は売掛金が無いので、納品する度に記帳してもいいかな、と。
青色申告だとケースバイケースです。
単発の案件ならその都度計上。
クラウドソーシングも案件をこなす度に売掛帳へ記帳するのが無難です。
定期的に案件をくれるクライアントなら締め日に合わせたほうが楽。
例えば末締めなら、30日か31日にまとめて売掛金で計上しちゃいましょう。
キャリーオーバーについて
クラウドソーシングではキャリーオーバー方式という振り込み方法があります。
振り込み可能金額になっても持ち越し、任意のタイミングで報酬を受け取る方法です。
クラウドワークスのように千円から受け取れる場合でも、未払い金額を10万まで貯めてから銀行に振り込んでもらえます。
振り込み方法にキャリーオーバーを選んでいる場合、未払い分が振り込まれたタイミングで預金出納帳へ記帳します。
案件が複数ある場合の記帳方法(青色申告)
案件を複数受け、まとめて振り込まれた場合の記帳方法は下記の通り。
例えばクラウドソーシングとか、クライアントが別々の場合は売掛金を分けたほうがいいですね。
売掛帳
1月14日 売掛金 売上 10,000 flappeライティング
1月25日 売掛金 売上 8,000 ぐーぱん記事依頼
2月11日 売掛金 売上 11,000 化粧品レビュー記事
預金出納帳
3月15日 銀行振込 売掛金 29,000
報酬はまとめて支払われるので振り込み回数は1回ですね。
このように、売掛金は数行になっても預金出納帳は1行で終わります。
キャリーオーバーでも支払日に記帳しましょう。
3月15日 銀行振込 売掛金 10,000
3月15日 銀行振込 売掛金 8,000
3月15日 銀行振込 売掛金 11,000
こんな風に分けて記帳する必要はないです。
未払い分の計上は簡単(まとめ)
解説がちょっとややこしかったかも。
未払い報酬を帳簿付けする方法は簡単です。
- 白色申告は未払い・受け取り分の区分は無い
- 青色申告は売掛帳(未払い)→預金出納帳(受け取り)と帳簿付けする
青色申告だけ未払い分・受け取り分の報酬区別があります。
まず売掛帳を書いて、振り込まれたら預金出納帳に書く、と覚えておけばOK。
もし現金で受け取ったら現金出納帳に記帳しましょう。
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