フリーランスにとって、最大の懸念事項が報酬の未払いです。
納品物にケチを付けるならまだしも(修正で対応可)、納品物をそのまま持ってバックレられたらひとたまりもありません。
「時間返せ!」と叫びたくなるでしょう。
んじゃどうやって対処するの?
契約前、契約後に分けて対処法の一例をご紹介。
契約前の報酬未払い予防策
まず何と言ってもクライアント選びをすることが重要です。
契約前のやりとりで、最低限下記の情報は開示してもらうようにしましょう。
- クライアント名(法人なら企業名)
- 法人の場合は登記住所(Googleで要検索)
- 担当者の名前
- 連絡先メールアドレスと代表者の電話番号
以上4つは仕事をする上で必要最低限な情報です。
担当者の年齢や個人の住所など、仕事にいっさい関係ない情報は聞いても仕方ありませんので聞かないように。
初期費用?そんなもの不要
詐欺の王道ですが、相手から初期費用どうこうという話が出てきたら原則断りましょう。
記事作成、データ入力、ウェブ制作諸々含め、仕事斡旋を装ったこの手口はまだまだあるみたいですね…。
そもそも初期費用のかかる仕事なんて、ネットショップや各種代理店じゃありませんし。
契約書の内容は熟読すべし
仕事を受注する前に交わすことになる契約書。
契約書を用意しないクライアントも多いですが、なるべく契約書の取り交わしを推奨します。
契約書は効力もあり、”もしも”の時には最大の武器となります。
でも、内容ちゃんと読んでいますか?
こちらに不利な条件、書いてないでしょうか。
納期遅延に対する報酬未払いや減額は当然といえば当然ですが、中には良く分からない内容が盛り込まれている場合もあります。
不明点は必ず問い合わせ、納得の上で契約書に署名しましょう。
※報酬の支払日(末締め末払い、納品後○日以内など)はちゃんと確認が必要です。
メールは原則保管と(できれば)印刷を
契約書を交わさないケースも当然ながらあります。
契約書が無くても特に法的には問題ありませんので、個人の場合はそのまま仕事を依頼するケースが多いです。
でも相手から報酬をもらう以上、契約に関する内容はしっかり保存しておくべきです。
口約束にならないように、やりとりしたメールは必ず保存しておきましょう。
報酬や契約に関する内容であれば、印刷して記録に残しておくと安心です。
ちょっと面倒…でもトラブル防止にはなります。
検索エンジンを使う
相手が法人の場合、企業名で検索をかけると口コミやら評判やらが時々出てきます。
その企業が過去に報酬未払いをやらかしていた場合、悪評が検索エンジンにヒットすることもあります。
怪しいと思ったら、こっそり探りを入れてみましょう。
「契約したら悪名高い○○だったよ…」なんてケースもあります。
契約後に発覚した場合、一方的に契約打ち切り、というほど世の中甘くありませんので慎重に…。
納品後に報酬未払いとなった場合
契約前には何ともなくても、納品後に報酬未払いのケースが一番多くなっています。
怒りで頭が一杯になるかもしれませんが、まずはいったん落ち着いて行動しましょう。
フリーランスにとっては報酬未払いが死活問題です。
契約時の内容を確認し、報酬未払いと言われた経緯を振り返ってみましょう。
まずはメールで確認を
報酬払えないと言われたら、納得のいく説明を求めましょう。
納期遅延、納品物が足りない、などの理由以外であれば、必ずクライアントからの説明が必要になります。
それでも納得いかん!なら何度も何度も説明を求めましょう。
曖昧な説明の時こそ、こちらが強気になってもかまいません。
こちらが根負けすると、それだけ時間を無駄にしてしまうことになります。例えば「先方に駄目出し喰らって…」とか言うなら、こちらの修正で対応出来ます。
あくまでも、クライアントとのやり取りはビジネスです。
電話も遠慮なく
クライアントからのメールが途中から来なくなる、メールじゃらちが明かないこともあります。
契約時にもらった電話番号に電話しましょう。
ごくまれに繋がらないケースもあるのでご注意。
電話で報酬未払いの理由、修正対応など交渉してみましょう。
相手がいい加減な態度を取るなら録音しちゃってOKです。
こちらに非が無いのであれば、弱気に出る必要はありません。
法テラスに相談
メールも電話も無視、報酬はいっこうに払われる気配がない。
お手上げ状態になったら法テラスに相談をおすすめします。
法テラスは全国様々な地域にあります。
メールや電話でも問い合わせできますので、有効利用してみましょう。
報酬未払いの件、今までに取った行動などを説明し、今後の対応を聞いてみるのが一番です。
内容証明という手も
報酬の未払い額が万単位になっているなら、内容証明を送るという手もあります。
内容証明は公的な証明になるので、相手も言い逃れはできません。
書いてある内容の真偽については証明してくれないので注意しましょう。
あくまで「××さんに○○って内容の郵便を送ったよ」ということを証明するだけになります。
内容としては、報酬の具体的な金額と支払い期限、支払いがなければ法的手段に訴える旨を記載しましょう。
最終手段として少額訴訟も
どんなクライアントでも、大抵は内容証明の送付で支払ってもらえます。
でも内容証明で報酬振り込み期限を明記したけど支払いがない!
額が額なら、最終手段として簡易訴訟(少額訴訟)を起こしましょう。
少額訴訟は一定額以下の代金の支払いを求める際に利用できます。
60万円以下の場合に限りますが、裁判費用は一般的に負けた側です。
ただし、弁護士費用は自己負担になるので注意しましょう。
未払金額の基準は特にありませんが、報酬額が数千円~1・2万なら労力の無駄になることも。
額が5万とか10万になれば十分検討の余地があります。
「生活かかってんだよ!」という時の最終手段として行使しましょう。
“二度と契約しない”位の気持ちで
フリーランスの報酬未払いは今に始まったことではありません。
長いフリーランス人生の中で、1度や2度経験することがあるかもしれません。
イヤな気持ちになるかもしれませんが、ねばり強く交渉し、説明を求めるように。
数百円・数千円といった額の未払いなら諦めてしまう手もあります。
こちらに非がない限りは以後の新規案件は受け付けない、または一方的に契約解除を伝えても問題ないでしょう。
そんなクライアントの案件を続けて請けるなら、単価が安くても必ず払ってくれるクライアントを選ぶべき。
記事・ロゴ・アプリなど種類は問わず、作り出したものはこちらにとって”商品”です。
商品の代金を払わずに持ち逃げすることは窃盗と同じでしょう。
たとえチロルチョコ一個でも、持ち逃げの時点で犯罪です。
時間と電気代諸々を消費している訳ですから、ちゃんと払ってもらわないといけません。
無事報酬が支払われたら、今後仕事を請けることはやめましょう。
運が悪かったと思い、新しくクライアントを探すのが良いです。
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