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数ある在宅ワークの中で、主婦に人気の仕事がデータ入力です。エクセルやCSVに指定のデータを入力するのみのため、コツコツした作業が好きな方には向いていますね。私は単純作業が大の苦手で、仕事を受注したことはありません。
ライティングと二分する
とはいえ、データ入力は、フリーランスの方も受注するケースが多く、クラウドワークスやランサーズを見ていると、記事作成の案件並に募集があります。小規模~大規模案件まで含めると、仕事には困らないんじゃないでしょうか。
しかし稼げるかどうかは話が別。自身の生活にも関わるフリーランスにとって、単価は死活問題でもあります。また、家事や育児に忙しい主婦にとっても、時間が限られるため、単価は特に重要です。
…それで、時給に換算したらどっちが稼げるんでしょう?
データ入力の相場
まずデータ入力の相場を見てみましょう。クラウドワークスのサイトによれば、1件あたり10円~50円とのことです。ただし条件付きで、リサーチなどで1件あたり5分程度、と想定されています。平均で1時間あたり12件ですね。
また1文字あたりの単価は0.1~1円が相場で、字数カウントはなし。この条件で時給に換算してみましょう。
データ入力を時給に換算する
しかし、上記の相場は幅が広く、単価によって時給が大きく変わるので、間を取って1件の単価を25円、1字単価を0.5円として試算してみます。
仮に1件5分、データ入力を1時間12件こなせるとすれば…
25×12=300
時給に換算すると300円ですね。文字数で言えば1時間に600字です。原稿用紙1.5枚分の入力が必要になります。もし単価が50円、1字1円だった場合、時給は600円、必要文字数は変わらずと、時給換算で2倍になりますね。
会社員と同様、1日の勤務時間を8時間、月の平均労働日数を20日とすれば
(300×8)×20=48,000
フル稼働のフリーランスの方なら大体1ヶ月の収入が5万円。1時間に12件、1日8時間稼働で96件入力するとして、20日で1920件のデータ入力ができます。生活は厳しいですね。保険と年金とほぼ無くなります。
主婦の方で1日2時間仕事すると考えると、月12,000円の収入です。生活の足しには十分…?
もし1字1円、1件の単価が100円だったら…?入力文字数は192,000字(原稿用紙480枚)で、1ヶ月の収入は192,000円になります。何故だろう、目頭が熱くなってきた。実際はまずあり得ませんが…。
データ入力は単価に大きく左右されますね。もし1件の単価が10円、入力文字数が100字っだった場合、原稿用紙に換算すると1枚40円です。1920件入力しても、1ヶ月の収入は19,200円にしかなりません。
ライティングの相場
いわゆるウェブライター・在宅ライターと呼ばれる人々が日々こなす業務がライティング(記事作成)です。データ入力同様に人気の在宅ワークで、かつ誰でもできる(という触れ込み)の一方、生き残りの難しい業界であり、低単価に涙し、口座の残高を見てはため息をつくことも珍しくはありません。
自身の知識と経験、職歴に大きく左右される仕事でもあります。活かせるなら高単価の仕事で生活が潤う一方、ネットの知識無し、情報の調べ方が分からない、タイピングが苦手、特別な知識も経験も何も無し…と、全て揃ってしまったら、単価の安さは覚悟しなければいけません。ただし、捨てる神あれば拾う神あり、です。
単価は非常に幅広く、1字換算で0.1円~10円以上と、案件によって雲泥の差があります。私が現在受託中の案件も、1字0.33円~6円と幅広いので、相場が無いに等しいです。
1字あたり0.1円の案件はゴミ同然、受託する価値すらないと考えます。生活がある以上、クライアントの家畜になる気はありません。0.2円も同様の理由から除外。
0.3円も十分安いんですが、クラウドソーシングやジョブポータルで「未経験者歓迎」、とする案件の単価が大抵1字0.3~0.4円です。これらで見る案件の最低単価(と思しき)0.3円を基準に考えてみます。
ライティングを時給に換算する
さて、1字0.3円と仮定した場合、400字書いて120円となります。増税前の缶ジュース1本ですね。データ入力が1時間に12件(文字数換算で600字)ですから、
600×0.3=180
もし1時間で600字書いた場合、時給換算で180円となりますベーコンやハムの4つセット(298+税程度)すら買えません。泣けますね。1文字の単価が0.5円になって、ようやくデータ入力(時給300円)と同じになります。
(180×8)×20=28,800
人生詰んだ、と言える月収。同じ文字数で考えると、データ入力よりも2万円近い収入ダウンです。ただし、手間を考えると…?
データ入力は件数をこなす必要がある
時給180円とか300円とか、ぶっちゃけ泣ける単価です。私の場合、15年以上サイトやブログで文章書いた経験はありますが、当初は時給200円300円レベルだったので、はじめの内は多くの方が通る道だと思います。
とはいえ、ずっと時給300円以下で働かないといけないか、と問われたら、”ノー”だと思います。特にライティングの場合、1時間あたりのこなせる件数(書ける記事数)は限度があるものの、タイピング速度が上昇すれば、書ける文字数は大幅アップします。
データ入力は件数をこなさないといけません。データ入力でもネットを使った情報収集が不可欠で、リサーチに充てる時間はライティングより増えると考えられます。
効率で考える
記事作成の仕事は、1記事あたりの文字数が400字や1000字など、ある程度決められている都合上、1時間にこなせる本数は限られています。多くても1時間に2~3本(1,000字換算)じゃないでしょうか。こなせる件数が少ない一方で、データ入力と比べ、情報収集に必要な時間は必然的に少なくなります。
もし1記事1,000字を1時間で書けるとすれば、1字0.3円なら時給は300円ですよね。データ入力で同様に稼ぐ場合、1件単価が25円なら12件、50円なら6件こなす計算です。
件数が違うことに気付きませんか?ライティングなら1回の情報収集で済むのに、データ入力なら6~12回はネットや書籍で調べないといけません。
ネタ集めに掛かる時間が変わりますね。仮に1記事500字でも2回、1,000字なら1回のリサーチで済みます。しかし、データ入力の業務では、リサーチ回数が必然的に増えるため、効率は悪くなると考えられます。
仮に1回のリサーチにつき2分の時間が掛かるとすれば、ライティングなら2~4分、データ入力では12分~24分もロスすることになります。入力がに必要な時間が1件3分なら、1時間で12件こなせますが、中々データが収集できないと、ロスする時間も増えます。
作業効率を考えると、ライティングの仕事が楽な気がしませんか。googleで検索する回数だけでも、大きな差が付きます。
タイピング速度・情報収集能力に影響されるとはいえ、調べ物に必要な時間は一目瞭然ですね。作業に集中できる時間も変わるため、1件の単価によってはライティングの仕事が稼げるんじゃないかなと思います。
単価アップは難しい
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データ入力の案件を見ていると、単価アップしても1件あたり10円~20円が限界のようです。ライティングの案件では、1字あたりの単価アップとなりますが、1字0.1円のアップでも、1ヶ月に換算すると数千円ほどの収入増に繋がります。が、データ入力は相場もある程度決まっていて、単価アップは難しいのが実状です。
ライティングも単価アップは難しいと思います。が、0.1円~10円程度と、1字あたりの単価は幅広いこともあってか、自分である程度高い単価の仕事を選べます。
例えば1000字800円の案件なら、データ入力よりも遙かに条件が良いです。もし1時間で書ける場合、時給換算で800円となるし、データ入力が1件25円なら、1時間で32件、50円でも16件こなさないといけません。
まぁ現実は厳しいですが…。仮に単価が低くても、執筆ペースが上げられたらライティングが美味しい仕事になりますね。単価がアップすれば、単純にベースとなる収入もアップします。
データ入力も単価アップで収入増になるものの、実際に単価アップあり、と書かれた案件ってほとんど見ません。単純作業が好きで、かつ数をこなせるならデータ入力が良いかもしれませんが、作業効率・タイピング速度上昇と、長い目で見れば、ライティングのほうが収入に繋がりそうです。
今回の時給はあくまで概算ですが、皆さんだったらどっちを選びますか?両方とも単価安いじゃん、という点は勘弁して下さい。最初はこんなもんです。
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