クラウドソーシングでは、源泉徴収に対応したサービスもあります。源泉徴収の判断はクライアント(仕事の発注者)次第ですが、徴収してくれる案件はさほど多くありません。
逆に源泉徴収する案件も少なからずあるため、事前チェックは欠かせないと思います。
支払い調書とマイナンバー
報酬から源泉徴収をされた場合、それを証明するための支払い調書が必要になりますよね。発行は義務ではありませんが、応じてくれるクライアントが多いと思います。クラウドワークスなら管理画面から一発で出力できます(※発注者のみ)。
さて、支払い調書にはマイナンバーが必要ですが、匿名によるやり取りが基本のクラウドソーシングでは、提出しないとだめなんでしょうか?マイナンバーって個人情報だから、なるべく教えたくないですよね。
先日ご質問を頂きましたので、クラウドソーシングとマイナンバーについて考えてみたいと思います。
クラウドソーシングでも提出が必要
マイナンバーを教えるのは嫌だけとしても、支払い調書を貰いたいなら教えないといけません。
すでに結論が出ていますが、匿名が前提のクラウドソーシングでも、マイナンバーをクライアントに提出する必要があります。支払い調書にマイナンバーの記載がないと、無効になる可能性があるからですね。何でこんなもん作ったんだろう?
支払調書を貰うならマイナンバーを教えましょう。
“絶対”ではない
確かに支払い調書が欲しいなら提出は必須。確定申告で調書を添付したいなら素直に教えるしかありません。ただし、絶対教えないとダメ、とは限らないんです。
こう考えてみるとどうでしょうか?確定申告をする際、支払い調書の提出は”必須”でも”義務”でもありません。実は支払い調書が添付されていなくても、源泉徴収の金額さえ合っていれば問題ないんです。
税務署で聞かれたら「必須じゃないので添付してない」と言ってしまえば大丈夫だと考えられます。
実は添付しなくても問題ないです。
情報漏れのリスクが大きい
クラウドソーシングといえど、我々の個人情報が漏れ出す可能性は否定できません。特にマイナンバーを調べたら”色々”分かってしまいますので、極力教えない努力が必要です。
また、クラウドソーシングを利用する以上、仮に個人情報が漏洩しても自己責任です。システムへのハッキングで漏れた場合は、サービス運営側が責任を問われます。しかし、それ以外は全部自分の責任になるため、相手が悪いと言っても、それ以上追求することは困難です。
なにせ向こうもこっちも匿名。個人情報保護法違反で刑事責任負わせようにも、時間もかかるし、待っている間にネットで拡散するリスクすらありますから、個人情報が漏れた場合は泣き寝入りが実状です。
住所に年齢、健康保険や年金…たった12ケタの番号で色々分かります。
1枚の支払い調書
支払い調書が欲しいなら仕方ありませんが、相手の顔も住所も分からない以上、安易に教えるべきではないと私は考えます。1枚の支払い調書のために無担保で情報を差し出すか、税務署で小言を言われつつ自分の個人情報を守るか?そう考えると答えは一つしなかいと思います。
あと、源泉徴収をしないクライアントには絶対教えちゃいけません。マイナンバーの提出が必須なのは”源泉徴収ありで、かつ支払い調書が欲しい場合”のみに限られます。
支払調書以外の目的で使うことは絶対ありえません。
マイナンバーに触れてるサービスは…あるの?
クラウドソーシングの案内ページやお知らせなどを見ていると、マイナンバーについて触れているサービスは極わずかと言いましょうか、ほぼ無いんじゃありませんか。
例えば「支払い調書の発行義務者には、マイナンバーを教えないといけない」とか、すでにどこでも出回っているような、”無難な”情報のみ発信されています。確かに重要ですけどね。
「個人情報が漏れるリスクがあるよ」、「だから提出時は細心の注意を払ってね」、「もしサービス利用後に悪用されたら、必ず番号変更をしましょう」。クラウドソーシング各社が、こんな注意喚起をしている所を見たことがありません。全部大切なことだから、2回言ったって良いんだよ。
クラウドソーシングは周知をするべきでは
サービス運営側としては、注意喚起をしてサービス利用者が減ったり、責任を求められるほうが怖いのかもしれませんが、源泉徴収に対応している以上、もっとマイナンバーの周知をするべきじゃないでしょうか。
ヘルプやお知らせ、マイページにこう書くだけで周知できると思います。
サービスの中の人見てるでしょうか?しっかり書いておかないと、余計なトラブルを招いてしまいますよ。自己責任ですが、何も知らないユーザーのほうが多いと思います。だから「当社では責任を負いかねます。」、あるいは「対処できかねます。」、の一言で済ませてはいけませんよ。
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