フリーランスの未払い報酬を貸倒金で計上するのが難しい理由

コラムと雑記
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クライアントがお金払ってくれない。一向に振り込まれない。

「フリーランスあるある」ですね。この世にフリーランスがいる限り、そして人間がいる限り、減ることはないであろうフリーランスの報酬未払い問題。経験した方もいるのでは?報酬の支払いが遅延するならまだしも、連絡が途絶えて逃げられる事例も多いですよね。

成果物を持ち逃げするクライアントへ一言だけ、言いたい。

金払え」と。

そんなリスクの大きい職業がフリーランスですが、回収不能な報酬を貸倒金へ繰り入れる方法も一応考えられます。ただし非常に難しいので、まずは報酬の未払いに対処しましょう。

それでも払ってもらえない場合がありますが、未払いの報酬を貸倒金に繰り入れることは非常に厳しいです。

先に結論を書くと、ネチっこく支払い請求して訴訟が一番

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貸倒金と貸倒引当金の違い

まず貸倒金と貸倒金引当金に関して。

未払いの報酬を経費にする方法は、貸倒金で繰入する方法と、貸倒引当金で繰り入れる方法の2種類があります。この2つは似ていますが、全く異なります。

貸倒金は、代金(報酬)の回収不能が確定した場合に使う科目で、貸倒引当金は代金回収できない可能性が高い時に使う科目です。

貸倒引当金を繰り入れる方法は「個別評価」と「一括評価」がありますが、白色申告で適用できるものは個別評価のみです。ただし個別評価で貸倒引当金へ繰り入れるには、主に以下の条件のどれかをクリアしなくてはいけません。

  1. 民事再生・破産手続きの申立があった場合(未払い報酬の2分の1を計上)
  2. 債務超過が長期間続き、事業好転が見込めない場合、回収が不可能になると考えられる金額
  3. 再生計画が認可された場合、翌年から5年経過後に支払われる見込み金額

一番分かりやすいのは民事再生・破産手続きのケース。半分を貸倒引当金に繰入できます。しかし、報酬を払ってくれないようなクライアントの場合、住所だって分からない時や、実は架空の住所だったりすることも多いので民事再生・破産開始を確認する手段も限られます。

2つ目もクライアントの債務超過が一定期間確認できないとダメ、3つ目も5年経過した後の金額を算定できないとダメ。

色々条件が厳しいため、貸倒引当金はほぼ関係ないと思います。

貸倒金の繰入は難しい

残されたものは貸倒金ですね。未払いの売上は全部貸倒金に繰入れちまえ、と言いたいところですが…貸倒金に繰入できるか判断が難しく、税務署に認められない可能性も高いんです。一部しか認められない場合とか、1円も繰入できない可能性もあります。

安易に認めちゃったら悪用されますからね。

貸倒金への繰入が可能な一般的な条件は、「代金の回収不能が明らかになった」場合のみ。

特にフリーランスの未払い報酬に関しては、クライアントが支払いに応じる可能性も極わずかにあるし、税務署に次のいずれかを指摘される可能性も考えられます。

  1. 回収の努力が不十分と見なされる(内容証明だけ送った場合とか)
  2. クライアントの支払能力を確認・証明できた上での繰入か
  3. 法的手段(主に訴訟)を取ったか…など

「絶対に払ってくれない」ことを証明するのは難しいですよね。なので訴訟を起こし、判決が出た後に貸倒金計上の有無を決めないと税務署も納得してくれない可能性があります。

なお、貸倒金の繰入と未払い報酬の回収に関する問題は分けて考えましょう。貸倒金の繰入についての相談は税理士未払いの報酬を回収する手段については弁護士へ相談を。

報酬未払いが発生した時の対応

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フリーランスで頑張っている方が、万が一報酬の未払いに直面した時は、

  1. まずクライアントへネチっこく支払い催促する
  2. 内容証明を送りつける(支払期限と期限後の訴訟提起について記載)
  3. アクションが無ければ訴訟を起こす(弁護士に相談)
  4. 訴訟の判決が出るのを待つ
  5. 回収できなかった分は税理士や税務署へ貸倒金繰入の判断を仰ぐ

このような流れで対応するのが一番だと思います。

もし未払いの報酬を貸倒金へ繰り入れる場合、安易に自己判断をしないことが大切。税理士へ相談して、それでもわからない時は税務署へ問い合わせてみましょう。

勝手に貸倒金を繰り入れたら、

税務署「訴訟とか起こしたの?」
フリーランス「起こしてない」
税務署「んじゃダメ。修正申告ね

という事態になりかねません。

当記事は私個人の考えも含まれますが、フリーランスが未払い報酬を貸倒金へ繰り入れることは難しいと思います。

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